休職を考えたら読む記事――診断書、休み方、復職までの流れ
仕事に行くのがつらい。
朝になると動けない。
職場のことを考えると涙が出る。
眠れない状態が続いている。
休日に休んでも回復しない。
このまま働き続けてよいのかわからない。
そのような状態になると、「休職した方がよいのだろうか」と考えることがあります。
一方で、休職に対して不安を感じる方も少なくありません。
休んだら職場に迷惑をかけるのではないか。
甘えだと思われるのではないか。
診断書は出してもらえるのか。
休んだ後、復職できるのか。
収入や職場での評価はどうなるのか。
休職は簡単に決められることではありません。
ただし、心身の不調が強いときには、休職が回復のために必要な選択肢になることがあります。
この記事では、休職を考えてよい目安、診断書について、休職中の過ごし方、復職までの流れについてお話しします。
休職は「逃げ」ではなく、立て直しのための選択肢です
休職という言葉に、後ろめたさを感じる方がいます。
「自分が弱いだけではないか」
「もっと頑張るべきではないか」
「周りの人は働いているのに、自分だけ休んでよいのか」
そのように考えてしまう方もいます。
しかし、強い不眠、気分の落ち込み、不安、集中力の低下、涙もろさ、食欲の低下などが続いている場合、心身はかなり消耗していることがあります。
その状態で無理に働き続けると、さらに調子を崩し、回復までに時間がかかってしまうこともあります。
休職は、仕事から逃げるためだけのものではありません。
心身を休ませ、状態を立て直し、再び生活や仕事に向き合うための時間でもあります。
もちろん、休職が常に必要というわけではありません。
仕事を続けながら調整できる場合もあります。
業務量の調整、配置転換、勤務時間の変更、通院しながらの治療で改善を目指せる場合もあります。
大切なのは、「休むか、頑張るか」を一人で決め込むことではなく、今の状態を整理し、どの選択肢が現実的かを考えることです。
休職を考えてよいサイン
次のような状態がある場合は、休職を含めて相談を考えてよいタイミングです。
- 朝起きると強い不安や涙が出る
- 職場に向かおうとすると動悸、吐き気、腹痛などが出る
- 眠れない状態が続いている
- 休日に休んでも回復しない
- 仕事のミスが増えている
- 集中力や判断力が落ちている
- 職場で人と話すのがつらい
- 仕事のことを考えるだけで苦しくなる
- 食欲が落ちている、または食べすぎてしまう
- 家に帰ると何もできない
- 涙もろくなった
- 自分を責める考えが増えている
- 「消えたい」「いなくなりたい」と考えることがある
- 周囲から「様子が違う」「休んだ方がよい」と言われる
このような状態が続いている場合、単なる疲れだけではなく、うつ状態や不安症状が関係していることがあります。
特に、睡眠、食欲、気分、集中力、出勤の可否に影響が出ている場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
※「死にたい」「消えてしまいたい」などの気持ちが強い場合や、自分を傷つけそうで不安な場合は、早急に身近な医療機関、救急、相談窓口などに連絡してください。
初診で診断書は出せるのか
休職を考えるとき、多くの方が気にされるのが診断書です。
「初診で診断書は出してもらえますか」と相談されることがあります。
初診当日に診断書を作成できる場合もあります。
ただし、必ず発行できるとは限りません。
診断書は、診察で確認した症状、生活への影響、就労状況、これまでの経過などを踏まえて、医学的に必要と判断される場合に作成します。
たとえば、強い不眠や気分の落ち込みがあり、集中力や判断力が低下し、出勤や業務継続が難しいと考えられる場合には、休職を含めた対応を検討することがあります。
一方で、症状や就労状況が十分に確認できない場合、診断書の作成について慎重に判断することもあります。
診断書は、会社を休むための単なる書類ではありません。
今の状態を医学的に評価し、必要な療養や就業上の配慮を伝えるためのものです。
受診時には、可能であれば次のようなことを整理しておくと相談しやすくなります。
- いつ頃からつらくなったか
- どのような症状があるか
- 睡眠、食欲、気分、集中力の変化
- 出勤できているか
- 仕事でどのような支障が出ているか
- 会社に相談しているか
- 休職制度や診断書の提出先
- どのくらい休む必要がありそうか不安に思っていること
メモにしておくと、診察で話しやすくなることがあります。
休職中は、何をすればよいのか
休職が決まると、「休んでいる間に何をすればよいのか」と迷う方もいます。
休職中に大切なことは、時期によって変わります。
第1段階:まず休む
休職直後は、心身がかなり消耗していることが多いです。
この時期に、すぐに原因分析をしたり、復職のことを考えすぎたりすると、かえって疲れてしまうことがあります。
まずは、眠る、食べる、安心できる環境で過ごす、刺激を減らすことが大切です。
「何もしていない」と自分を責める必要はありません。
休むこと自体が治療の一部になることがあります。
第2段階:生活リズムを整える
少し落ち着いてきたら、睡眠、食事、起きる時間を整えていきます。
昼夜逆転が続くと、復職に向けた準備が難しくなることがあります。
最初から完璧に整える必要はありませんが、少しずつ日中に起きて過ごす時間を増やしていくことが大切です。
第3段階:何が負担だったのかを整理する
状態が安定してきたら、なぜつらくなったのかを整理していきます。
業務量が多すぎたのか。
人間関係が大きな負担だったのか。
責任が重すぎたのか。
自分の特性と仕事内容が合っていなかったのか。
休まず頑張り続ける癖があったのか。
ここを整理せずに復職すると、同じ負担が戻ったときに再び調子を崩してしまうことがあります。
第4段階:復職に向けて活動量を戻す
復職が近づいてきたら、少しずつ活動量を戻していきます。
決まった時間に起きる。
外に出る。
通勤に近い時間帯に移動してみる。
読書や作業など、集中力を使う活動を少しずつ試す。
いきなり元の働き方に戻るのではなく、段階的に負荷を戻していくことが大切です。
復職はいつ考えるのか
復職は、「少し気分がよくなったからすぐ戻る」というものではありません。
復職を考えるときには、次のような点を確認します。
- 睡眠リズムがある程度整っているか
- 日中に起きて活動できているか
- 気分の落ち込みや不安が軽くなっているか
- 集中力が戻ってきているか
- 通勤に耐えられそうか
- 職場で再び負担になる要因が整理されているか
- 復職後の業務量や配慮について相談できているか
焦って復職すると、再び調子を崩すことがあります。
一方で、休職が長くなるほど、戻ることへの不安が強くなる場合もあります。
そのため、復職の時期は、本人の希望だけでなく、症状、生活リズム、職場環境、再発リスクなどを含めて考える必要があります。
復職はゴールではありません。
復職後に安定して働き続けられることが大切です。
職場にどう伝えるか
休職を考えるとき、職場にどう伝えるかも大きな不安になります。
上司にどこまで話すべきか。
診断名を伝える必要があるのか。
人事に相談した方がよいのか。
同僚に知られたくない。
復職後にどう見られるか心配。
このような不安は自然です。
基本的には、職場にすべての詳しい事情を話す必要はありません。
診断書には、療養が必要であること、必要な期間、就業上の配慮などが記載されますが、個人的な事情を細かく伝える必要がない場合もあります。
会社によって、休職制度、傷病手当金、産業医面談、復職判定などの流れは異なります。
人事や総務、産業医がいる職場では、制度について確認することも大切です。
診察では、職場にどう伝えるか、診断書にどのような内容が必要かについても相談できます。
当院で相談できること
水道橋やまがたこころクリニックでは、休職するかどうかを一方的に決めるのではなく、今の症状、仕事への影響、生活状況、ご本人の希望を確認しながら一緒に考えることを大切にしています。
必要に応じて、診断書の作成も検討します。
ただし、診断書を出すことだけを目的にするのではなく、休んだあとにどう立て直すか、復職に向けて何を整えるかを一緒に考えていきます。
仕事を続けながら調整した方がよい場合もあります。
一時的に休んだ方がよい場合もあります。
職場との距離を取ることが必要な場合もあります。
その方の状態によって、必要な対応は異なります。
「休職した方がよいのかわからない」
「診断書が必要かもしれない」
「もう少し頑張るべきか迷っている」
「復職できるのか不安」
「職場にどう伝えればよいかわからない」
そのような段階でも、ご相談ください。
まとめ
休職は、逃げではありません。
心身の状態を立て直し、生活や仕事に戻るための選択肢の一つです。
ただし、休職が必要かどうかは、症状の重さ、仕事への影響、生活状況、本人の希望、復職の見通しなどを含めて考える必要があります。
初診当日に診断書を作成できる場合もありますが、必ず発行できるとは限りません。
診察で状態を確認し、医学的に必要と判断される場合に作成します。
仕事に行くのがつらい、眠れない、気分の落ち込みや不安が続いている、休日に休んでも回復しない。
そのような状態が続いている方は、一人で抱え込みすぎず、ご相談ください。
当院では、休職するかどうかだけでなく、休んだあとにどう立て直すか、復職に向けてどう整えるかを一緒に考えていきます。
